野球の花形で1番注目を浴びやすいポジションでもあるピッチャー。
そんなピッチャーですが、ボールを投げるときのピッチングフォームは選手によって異なります。
ではピッチングフォームにはどのような種類があって、どのような特徴をもっているのでしょうか。
この記事ではピッチングフォームの大まかな種類とその特徴やメリット・デメリットについて紹介します。
ピッチングフォームは大きく分けて4種類!
ピッチングフォームはそれぞれ人によって異なりますが、大きく分けて4つの種類に分けられます。
ここからはピッチングフォームの種類や特徴について紹介します。
オーバースロー
投げるときに水平線上より指先が上に来ている状態で腕を上から下へ腕を振り下ろすピッチングフォームをオーバースローといいます。
オーバースローは昔のピッチャーで最も多いピッチングフォームでした。
身長が高ければ、腕を投げ下ろすときに高低差の角度が比例して大きくなります。
そのため、バッターにとって打ちづらいボールを投げられるというメリットも。
また、上から下へ重力を逆らわずに投げられるため、球速が出やすいともいわれています。
そのため、オーバースローの投手は、上から下へ変化するフォークやチェンジアップ。
ストレートの球速を生かして、少し変化するカットボールやツーシームなどの変化球が効果的です。
一方で、肩や肘に負担がかかりやすく、投げ込みすぎるとケガをしてしまうリスクが高くなってしまいます。
現役のプロ野球選手では、広島東洋カープの大瀬良大地投手
中日ドラゴンズの柳裕也投手などがオーバースローとして一線級で活躍しています。
150キロ超えのストレートとストレートを活かしつつ、緩急ある変化球やストレートから少し変化する球でバッターを抑える本格派ピッチャーはオーバースローが多いです。
サイドスロー
サイドスローはその名の通り投球の際に、水平線に腕が体の横を通りながら投げるピッチングフォームを指します。
サイドスローはボールに横の角度をつけやすいため、
の内角をえぐるようなボール軌道である、通称クロスファイヤーになりやすいことが特徴です。
また、横回転を加えて投げる変化球のスライダーやシュートなどの変化球は回転がかかりやすく、曲がり幅も大きく変化させやすくなります。
しかし、ストレートの場合でも横回転が大きすぎると、ボールが真ん中付近に集中します。
その結果、相手バッターにとって打ちやすいボールになってしまうというところが難点として挙げられます。
現役のプロ野球選手では北海道日本ハムファイターズの宮西尚生投手
福岡ソフトバンクホークスの又吉克樹投手などプロ野球ではリリーフピッチャーで変化球を多彩に操る投手が多いことがわかります。
スリークォーター
オーバースローとサイドスローの中間、斜め45度程度の角度からボールをリリースするピッチングフォームをスリークォーターと呼びます。
スリークォーターはオーバースローとサイドスローのいいところをとった投げ方で、現役プロ野球で活躍している投手のほとんどがスリークォーターで投げているという印象です。
また、オーバースローと比較して体の負担もかかりにくいといわれています。
さらに、球速もオーバースローとあまり変わらずに出すことができるため、現時点で最もポピュラーな投げ方として知られます。
変化球も
などの多種多様に操れるでしょう。
緩急のあるボールを扱うことで、バッターのタイミングを狂わせることも可能です。
そのため、相手チームにとって厄介な存在と印象をつけることができるでしょう。
現役のプロ野球選手では、オリックスバファローズの山本由伸投手
読売ジャイアンツの菅野智之投手
などの日本を代表する投手がスリークォーターを採用しています。
アンダースロー
投げるときにリリースポイントが地面スレスレを通って投げることをアンダースローといいます。
通称サブマリン投法とも呼ばれるアンダースローは下から上のボール軌道となるため、これまで紹介してきたピッチングフォームとは違った軌道を描きます。
アンダースローの選手はアマチュア野球はもちろん、プロ野球選手の中でも数えるほどしか存在しません。
そのため、バッターにとって、下から上のボール軌道には見慣れておらず、アンダースローを極めることができれば、そう簡単には打たれません。
アンダースローは、他のピッチングフォームと比較して球速は出にくいといわれています。
しかしその反面で、独特のボール軌道から球速は出てないものの、計測された球速よりも体感速度で速く感じることがあります。
アンダースローの唯一の欠点としてはランナーがいる場合にクイックモーションが取りづらいというところでしょう。
キャッチャーの肩の強さやスローイングにもよりますが、盗塁を許してしまう可能性が高くなります。
現役のアンダースローのプロ野球選手は福岡ソフトバンクホークスの高橋礼投手
千葉ロッテマリーンズで活躍された渡辺俊介投手
がアンダースローとして有名です。
ピッチングフォームフォームにはいる前に
ここまでは大まかなピッチングフォームについて紹介してきましたが、ピッチングフォームにはいる前にもいくつかの投球動作の種類があります。
ここではそんな投球動作について紹介します。
ワインドアップ
ワインドアップとは、腕を頭の高さくらいまで上げて振りかぶる動作のことを指します。
ワインドアップにすることによって、ピッチングに勢いがつきやすく、投げるボールにより強い威力を加えることができます。
その反面、体の軸がブレやすく、コントロールが定まらないこともあります。
昔のピッチャーはワインドアップの投手が主流でした。
ノーワインドアップ
ノーワインドアップとは前述したワインドアップは頭まで上げていた動作をせず、腕を胸の前で留めておくという動作です。
ノーワインドアップのメリットは体の軸がブレにくく、安定したピッチングができるでしょう。
しかし、その反面、ワインドアップほどボールに勢いは出ず、球威が落ちてしまうという点がデメリットとして挙げられます。
現代のプロ野球選手のほとんどがノーワインドアップを採用しています。
セットポジション
セットポジションとは右ピッチャーでは体を3塁方向に、左ピッチャーでは1塁方向に向けて構えることを指します。
ランナーがいるときには、ワインドアップの選手もノーワインドアップの選手もセットポジションを取ることが一般的です。
ですが、ランナーがいないときでも最初からセットポジションを取る選手もおられます。
プロ野球選手では主に中継ぎや抑えのピッチャーが最初からセットポジションの動作であることが多いです。
特殊なピッチングフォームも
ここまでは代表的なピッチングフォームについて紹介してきましたが、上記に該当しないようなピッチングフォームも存在します。
まずはこちらの動画をご覧ください。
上記の動画は独特なピッチングフォームをした投手を集めた動画です。
大まかにまとめるのであれば、4つの中に分類されるかもしれませんが、それにしても独特なピッチングフォームであることがわかります。
このように、自分独自のピッチングフォームを編みだすことで、相手バッターを惑わし、打ち取ることもできます。
まとめ
この記事では、ピッチングフォームの大まかな種類とその特徴やメリット・デメリットについて紹介しました。
それぞれのピッチングフォームにもメリット・デメリットは存在しているため、必ずしも今のピッチングフォームが自分にあっているのかどうかはわかりません。
ですが、自分にあっているピッチングフォームを極めることができれば、相手バッターを抑えることができ、チームの勝利に大きく貢献することができるでしょう。
自分にあったピッチングフォームを見つけ出し、相手チームにとって脅威となるピッチャーになりましょう!
コメント